かつて、キンシ正宗の酒を育んでいた酒蔵。ここで京の地麦酒は誕生します。先人が大切に守ってきた伝統的建築物としての酒蔵の姿を変えることなく、地麦酒作りのための設備を導入。まさに京都の地麦酒と呼ぶにふさわしい環境で、キンシ正宗の地麦酒が醸造されていく様子をゆっくりとご見学頂けます。
世界的に下面発酵が主流を占める中、 あえて独自の芳香とコクにこだわり、上面発酵を採用。 京の食文化に馴染み、根付いてゆくことのできる味を目指した結果です。長年培ってきた酒造技術と職人たちの磨き抜かれた舌で研究を重ね、京の食を引き立てる上品な味わいに仕上げています。
耐火性に優れた酒蔵で、元治元年の「蛤御門の変」の際にもキンシ正宗の酒を守り抜いたと伝えられています。
現在は創業した場所を証す「亀屋町内絵図」や、酒造業の変遷が記された「酒造株之事」などの古文書の他、当時、記念館の向かいにあった白木屋呉服店(現在の東急デパートの前身)の紋入り瓦などが納められている文庫蔵となっています。
酒造りの貴重な道具が残され、当時の風情をみることができます。

大きな桃の木の下にあることから名付けられた「桃の井」は、京の名水「染井の水」と水脈を同じくし、創業以来酒造りに使われてきた名水で、今でも1年を通して温水16度、毎分3トンの豊かな水量で湧き出ています。数々の端麗な名酒を生み出してきた桃の井は、くせがなく軟らかな口当たりが特徴で、この「命の水」無くして町家麦酒の誕生はありえません。

座敷の障子を通して一幅の絵画となるよう作られた鶴亀の庭は、庭づくりの決まりをきちんと守りきりながら配された、鞍馬石の石灯籠や飛び石が、京の粋と美意識を感じさせます。文庫蔵へと続く石畳や、「桃の井」から湧き出る水の音が、都心のオアシスのような空間を演出しています。

遠方から訪れた客人を迎えた、鶴亀の庭をのぞむ書院造りの奥座敷。ケヤキ(棚板)、縞柿(小柱)、赤松(床柱)、霧島杉(天井)など、随所に施された多種多様な素材が、絶妙のバランスで保たれています。

客人の応対や商談でいつも活気に満ちていた帳場。切子格子は外の光や風をやさしく引き込むだけでなく、外からの視線を遮りながら、中から気配が穏やかに感じられる優れた役割をもっていました。

派手さを抑えながらも、高度な技術と中京の商家の美意識が凝縮された本座敷。床の間を背にして下手には五畳ほどの「鞘の間」といわれる部屋があり、大切な客人をもてなす際、座を楽しませる舞などが行える舞台として設えられていました。

住み込みの人々が寝起きしていた部屋。町家の多くは二階が低く、現在のロフトのような造りになっていました。表構えに設えられた窓は、土で塗り込められており、それが虫籠のように見えることから称されました。

入口を入ると、通り庭とも呼ばれる土間がまっすぐと続いています。土間ホール内には町家と酒造りの歴史を紹介したコーナーなどがあります。
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